上昇気流

細々とひとりごとを呟き続けています。

ミスの内容

最近ちょっとミスがかさんでいる。幸いにも、失敗にはつながっていないけれど。

ひとくちにミスと言っても色々ある。結果から後付け的に仕分けするとすれば、大きな失敗に直接的につながってしまったミスと、失敗につながらずに済んだミスがある。これは後付け的なものだけれど、もちろん前者にならないように、我々は前もって色々な予防策を張るわけである。

こうした予防策があるかないかによって、失敗につながらずに済んだミスの中にも、大きな失敗につながり得るミスと、大きな失敗にはつながらない大丈夫なミス、という区別がさらに生まれる。失敗につながらずに済んだミスの中には、偶然失敗につながらなかっただけで、失敗してもおかしくなかった、みたいなミスと、あらかじめ予防策を張っていたために大事に至らなかったミス、というのがある。例えば同じ「勘違いして出勤時間を間違える」というミスがあったとして、「単純に日にちを間違えて覚えていたために時間を間違えてしまった」とかだったら、大きな失敗につながるミスだと思う。たまたま覚えていた時間が元の時間より早かったから出勤遅延にはならずに助かりました、みたいなミス。一方で大きな失敗につながらないミスというのは、「15時出勤だから1時間前の14時に行こうと思っているうちに、14時の1時間前の13時に出勤してしまった」という類のもの。これは間違って早くなってしまうことはあっても、間違って遅くなることはないから、安全なミスだと言える。同じように、月末までに出さなければならない葉書を出し忘れた、なんてときも、「カバンの奥底に入れておいて出し忘れてしまった」的なミスであれば、気付かずに月末を迎えてしまうことが多いけれど、「忘れないように机の上の目立つところに置いておいたけれど、別の作業をしているうちに持って帰るのを忘れた」的なミスであれば、気付くことの出来る機会は多く、失敗を防げる確率も高くなる。

ミスがかさんでいるといっても、後者のミスが多いのであれば問題はない、と思っている。人間は絶対にミスをするものだし、どれだけ注意を払ったところで、ヒューマンエラーを防ぐことは出来ない。それに気がつく仕組みさえ作ってあって、それによって防ぐことが出来る種類のものであれば、そういうミスに対してはそう気をもむ必要はないと考える。けれども、前者のミスがちらほらと見受けられるようであれば、そこに細心の注意を払い、それは何らかの対策をする必要があると思う。体調的なものであったり、環境的なものであったり、作業手順的なものであったり、何らかの要因があるはずだから、それを洗い出し、手を打つ必要がある。

最近よくないのは、後者のミスは後者のミスとしてもちろんあるのだけれど、前者のミスもたまに紛れていることである。主に、自分の不注意によるミス。慣れであったり、間が開いていたり、といった要因はいくつかあるのだけれど、こういう小さいミスに対してそれを放置して気を払わないでいると、ハインリッヒの法則に照らしてもいつか大きな失敗につながる。大きな失敗を防ぐために、環境を整えて、注意力を上げることでミスの総数を減らす、という試みと、穴あきチーズの法則のように、対策の数を増やしミスに気がつく仕掛けを増やすことによって失敗につながる確率を減らす試みの両方を考えなければならない。

ちょっと、そういう時期にいるのかもしれない。今。運でなんとかなっているかもしれないけれど、そうそう運だけで乗り切れるほど世の中は甘くない。何とかなっているうちに、気がついて、打てる手を打っておくべき。