上昇気流

細々とひとりごとを呟き続けています。

和歌山旅行

4月の頭に同期旅行を計画して、2か月前から年休を申し込んでいたのだけれど、この度の震災の影響で同期が集まれなくなり、中止にした。その結果、もともと明け+2日休みのところに2日年休がくっつく形になり、年度初めにぽっかり4連休(頭が10時退勤だったから実質5連休みたいなもんだけど)が発生した。ということで、4泊5日で紀伊半島を回ってきました。

初日、10時に仕事が終わって着替えてから北陸周りで出発し、北陸道をずーっと走り京都に入って、そこから紀伊半島を左から右回りにぐるっと1周、名古屋に入り、そこから岐阜白川郷経由で富山に抜け、新潟へ戻るルート。日本で行ったことのない残り3県、和歌山、三重、沖縄のうち、2つを潰しに、というのが当初の目的。

車で行ってきました。

今回は、全行程車で、1人旅、という試み。前回四国に行ったときは電車だったけれど、今回は紀伊方面の電車の運行本数が削減されていることもあり、車で行くことにした。まぁ、一度やってみたかったっていうのもあるし。おそらく、体力がある今しか出来ないことだしね。総走行距離は2029km。終わってみての感想だけれど、率直な話、もういいかな、って感じ(笑)。機動力だとか、行程の組みやすさっていう点では車に軍配が上がるけれど、やっぱり疲れる。当然だけど(笑)。個人的な感覚だけれど、片道4時間くらいが限界かな。金沢あたりか。京都まで7時間は厳しい道のりだった(明けだったのもあって、途中で1回寝た)。あと、結構これも大きいけど、たまに虚しくなる(笑)。1人でそれやっててもなんだか虚しくなるんだよね(笑)。今回も、結構途中で「俺はいったい何をしているんだろう?」って思ったし(笑)。電車と違って、ほとんど、「1人でいる時間」になる。電車での1人旅は、道中本を読むとか色々なことが出来る時間があるし、人との触れあいもある。しかし、時間と廻れる個所に制約がある。その点、車だと本当に1人でいる時間が多くなるけれど、その辺の自由度は凄く高い。細かな機動力もあるし、観光スポットの取捨選択もしやすいし。今回も、基本的に見るところだけ前もってピックアップしておいて、その日どこまで回れたか、を基準にその日泊まる場所を選びながら行った。紀伊半島を進みながらその日どの辺まで行けるかを15時くらいの時点で判断して、じゃらんのネット予約でその日の宿を予約して(笑)。こうやって柔軟さを持たせられたのも、結局車で行ったからなんだと思う。僕の場合1人旅をするときはあらゆるものを出来る限りあれもこれもと詰め込もうとする傾向があるのだけれど、ある意味、自分の好きなように時間の許す限り見たいとこ全部回る、っていうタイプの旅の最高形が今回の形なのかもしれない(車で一人旅)。どっちもどっちの良さがある。でもやっぱり、電車は1人旅、車は複数人、向けなのかな。両方やってみて、そんな感じがした。今度は誰かと行きます。

城を3つ見てきました。

和歌山城名古屋城犬山城名古屋城は戦争の空襲で焼けてしまった城なのだけれど、あれが残っていたら凄かっただろうな、と思った。今残っている現存天守閣は居城としての城もあるけれど、どちらかというと戦略的要素も含んだものが多い。その点、一時代を築いた天下人が居城として構えていた城だった名古屋城の規模と造りっていうのは、ホントに半端なかったんだと思う。戦争前の写真が少しだけ残っていたのだけれど、それだけ見ても凄かったもの。一度、見てみたかった。犬山城は古い城が残っている国宝で、それはそれで本物の持つ凄みを感じさせたのだけれど、名古屋城はそこにないにも関わらず、まったく別種の凄みの余韻みたいなものがあった。今はコンクリート造りでエレベーターもある博物館みたいな復元された城が建っているだけだけれど、なんていうか、もともとそこにあったとてつもない大きなもののオーラを感じた気がする。そういう口惜しさみたいな意味での凄さ、っていうか(笑)。和歌山城も、地方都市の中心にある城、って凄く好きで、良かった。街を一望できるのが城って、やっぱりいいよね。

桜が満開で、とても綺麗でした。

特に、和歌山城犬山城名古屋城。これは期せずして行ったのだけれど、ちょうどいいタイミングだった。京都は若干早かったけれど、和歌山あたりからはとても綺麗に咲いていた。城と桜は、凄く映える。いい写真がたくさん撮れた。あと、熊野本宮大社の大斎宮に行ったときに、風に吹かれてはらはらと桜が待っていたのが凄く印象的な光景だった。大斎宮っていうのは、もともと熊野本宮が建っていた場所で、それが明治時代に川に流され、今の高台に遷宮した跡地。今は何もない原っぱみたいな何もない小さな空間を、杉の木立が囲んでいるところなのだけれど、そこに桜が咲いていて、舞っていたのが凄く印象的で。穏やかな青空のもと舞う花びらは、ホント時が止まったみたいで。小さな祠が2つあるだけの、何もない原っぱなんだけど。思えばここも、昔そこにあったとてつもなく大きなものの存在を感じたのが大きいのかもしれない。この旅のベストシーンだったかな。「日本の中心は空虚である」って言ったロランバルトの言葉を意味もなく思い出した(笑)。文意は全然違うけど。

神々にお参りしてきました。

熊野三山伊勢神宮熱田神宮など。今、強力な神々のご加護が後ろについている気がする(笑)。熊野系の神様と伊勢系の神様が喧嘩してなければいいけど。熊野古道、とても良かった。那智の滝のスケールには圧倒された。熊野三山伊勢神宮、この2つは一度は絶対行ってみたかったところで。伊勢系の神社の造りが興味深かった。正面に蕃塀という衝立のようなものがあるつくりだとか、敷地内参道に複数ある鳥居に榊の枝が挿してあったりとか。さらに、伊勢神宮は20年ごとに、式年遷宮といって全て壊して隣に作り直す、という。全国に熊野系、伊勢系の神社って結構あると思うのだけれど、こういうところに注目してみると造りが同じだったりするのだろうか。ちなみに熊野神社は、新潟県内に158あるそうです。

地方の街、道を感じてきました。

日本の海沿いの街って、どことなくかたちが似ているものだな、と思った。山の縁取りに囲まれた空間に、平屋、もしくは2階建ての瓦の家屋の軒の高さが基本的な街の水平線になり、そこから鉄筋コンクリート製の頑強な四角い建物が顔をのぞかせる。大抵、それは病院、学校、市の建物である。最近テレビで良く見ていた三陸の街の映像でも、そういう映像を印象的に感じているのだけれど、日本には同様の街が無数にある。きっと、同じ時代を経て、同じように街が形成されてきたのだ。入善あたりの北陸道を走っていると、特にそう思う。コンクリート製の病院の建物の醸し出す雰囲気って、とても地方の街のそれっぽい気がするんだよね、個人的なイメージだけれど。あと、道を見ていても、地方色は出てくる。紀伊半島を回ってくると、三重県内に入った辺りからT字路には白い枠線で囲った「とまるな」と書いた停止禁止の枠が目立つようになってくるし、名古屋市内に入ってくると、交差点の前には「追突注意」と書いた赤色の路面表示が目立ってくる。こういうのって地方固有の「風景」だと思うんだよね。あと、滑川あたりで北陸道脇に突然出てくる烏帽子型鉄塔の列とか、福井あたりの高速の緑の案内標識がやたら風化していたりとか。四日市の国道脇のコンビナートの赤白の煙突とか。ああいうのって、きっと地方出身者が地元に戻った時の「懐かしさ」につながるのかもしれない。話は変わるけど、個人的に、名古屋の街ってすっごいわかりづらかった。道が広く(基本的に片側3車線)、碁盤目状になっているからわかりやすそうなもんだけど、建物が高いから山とか高い建物といったランドマークが全然見えないし、地名もぴんとこないからどの方角に向かっているのか全くわからなくなる。セントラルタワーですら、全然見えないんだもの。道に迷って、結局ホテルまで深夜0時にタクってしまった(笑)。翌朝城を目指した時も、近づくまで不安なまま歩き続けていた。この辺が、やっぱり名古屋の規模の大きさなんだろうな。他の県庁所在地を歩くのとは、全然勝手が異なる。こういうところが、実際に自分の足で潰していく「都市の肌感覚」みたいなもんなのだろうな、と思っているのだけれど。

地方FMを聞いていました。

車内は基本的に、FMの入るところはFM、入らない海岸線とか山道はiPodα-STATIONFM三重、FM-AICHIにだいぶお世話になったかな。地方FMって、独特の時間の流れ方と絶妙な話題のローカルさがいい。地方局のパーソナリティって、いわゆるKeyStationの洗練されたパーソナリティとはちょっと違った感じがどことなくあるんですよね。それはそれで、凄く味があって。話題はやはり地震関連のものが多かったけれど、桜のお便りも多数。1日に2回、別々の局でaiko「桜の時」を聞いたり。凄く、時期ですね。アルバムが出た関係でユーミンが結構よく出てたのと、PowerPlayされてたMs.OOJAもよく聞いた。KARAのJet Coaster Loveは最初聞いたときなんだこのストレートな歌詞は…と思ったけれど、あれ何回か聞いてるうちに癖になりますね(笑)。LadyGagaも同じようなトコあるけど。

同級生と会ってきました。

また例によって旅行先で地方進学、地方配属の同期と会って飲んできた。もうすぐ25ともなると、話の内容も変わっているのかな。今この歳でこの境遇でする話題としては凄く当たり前のような話題をして帰ってきたと思うけれど、昔から見てみればそんな話題はしていなかったのかもしれない。まぁそんなことはどうでもいいとして、やっぱりある程度同じ時間を過ごしてお互いのことがわかっている人と話すっていうのは、とても楽しい。会社外の人から貰えるものっていうのはとても貴重。2年以上会ってなくても、全然そんな感じはしないし。お互い最近どうよ、これからどうするよ、みたいな話をしつつ、ああなるほどねぇ、と共感しつつ、深夜まで飲んで帰ってきました。まぁ、意外と、みんな考えてることって同じなのかもしれないな(笑)。

まとめ

他にも白浜海岸とか、潮岬とか、川湯温泉とか、鳥羽展望台とか、白川郷とかまぁいろんなところを見て回ってきた。和歌山ラーメン、串本で刺身定食、伊勢うどん名古屋コーチン、モーニングなど地方ならではの食べ物もいくつか食べつつ。モーニングは紹介してもらった「コメダ珈琲店」で(笑)。

白川郷熊野古道、みたいな世界遺産に代表されるような超観光地は、もちろん良かった。世界遺産って結構政治色の強い恣意的なもののイメージがあるけれど、それにしてもやっぱり凄いものは凄い。歴史の重みを感じさせる規模なり含蓄なりがあるのは変えようのない事実だと思う。あるいは、犬山城のような国宝も然り。ただ、そういうところは観光客がとても多いがゆえに、「観光地化」してしまっているのも事実である。それは仕方のないところなのだけれど、たとえば潮岬の大島の「トルコ軍艦遭難慰霊碑」みたいな、あまり人は訪れないだろうけれどストーリの詰まったスポットも結構好きだ。ケマル=アタトゥルクの銅像があんなところに建っているなんて、だれも思わないもの(笑)。安乗埼灯台の、灯台の白と海の青と水仙の黄色が快晴の空の日差しの下映える感じとか。あれも誰もいないから絵になるのかもしれないしね。どっちもどっちの良さがあるのだと思う。うまくまとめらんないけど、そんな旅の良さみたいなのが再発見された旅だったのかな。

日本には、まだまだ知らない場所がいっぱいあります(お決まりの笑)。次はどこに行こう。