上昇気流

細々とひとりごとを呟き続けています。

最近読んだ本。

最近(この文章を書いた時点での最近、だったので、厳密にはもう少し前)、物語分をちょっと多めに摂取しています。滅多にレビューなんてものはしないんですが、たまには読んだ感想とかを書いてみましょうか。乱読気味。

のぼうの城

最近読んで割と良かったのが、和田竜「のぼうの城」。埼玉県の行田ってとこにあった忍城っていうところを舞台にした時代小説なんですけど、キャラもしっかり立ってるし、テンポもいいし、引き込まれて読みきってしまいました。あんま、時代小説っぽくない、というか。背景知識とか、登場人物とか覚えるのも最小限で済むし(笑)。戦のシーンとかって、よく長々と引き伸ばされて、だんだん読んでてうんざりしてくることがあるんですが、これはさくさく進んでいくので軽い感じで読み進められます。その分、読み終わった後の感じも軽いんですけど。それがいいのかもしんない。難しい本を読むのもいいけど、こういうテンポを楽しむような本を読むのも僕は割と好きですね。

あーでも、割とこれって、男が好きな小説なのかもしれない(笑)。俺、ここに出てくる登場人物、好きです。坂東武者、アツいぜ(笑)。

「疾走」

割と対照的なものとしては、重松清「疾走(上・下)」なんかも読みました。こっちは逆にすっげーべとべとしてて、読後はなんともいえない気持ちになります。そもそも、この人が一人称に「おまえ」なんて一人称を使ってる時点でねっとりする感じがして、読み始めた瞬間思わず苦笑してしまいました(笑)。この人がやるといかにもそれっぽく感じるんですよね…なんでだろうね。僕はこの人の世界観はあんまり好きではありません。実は。なんかこの人の本って、一律に、結構べっとりしてる気がするんですよね。「舞姫通信」にせよ、「ナイフ」にせよ、「ビタミンF」にせよ、「流星ワゴン」にせよ。なんか読んだ後、釈然としない気持ちが残る。多分、それは、普段巧妙に見ない振りをして隠している現実過ぎるほどの現実を、隠そうとせずに真っ向から突きつけられてしまうからなのでしょうか。けど、その雰囲気があんまり好きではなくても、話の中に引きずり込ませる展開のうまさがあるんだろうなぁ。だから読んでしまうんでしょう、きっと。

あんまり好きな作家ではない、というか、雰囲気的に僕とは合わないな、という作家ではあるけれど、物語として読んでしまいますね(笑)。決して、嫌いではない(^^;)。

「白の月」

これまた全く異なるけど、谷村志穂「白の月」も読みました。この人の本も、たまに買っては読んでしまいます。昔は女流作家の本って、全くといっていいほど読まなかったんだけど、今は、読むようになりました。山本文緒とか、角田光代とかも。小池真理子あたりまで行くと、ちょっとべっとりしすぎててだめかなって気もするけれど(笑)。僕はこういう本を読むと、色んな示唆をもらいます。結構、視野が広がるというか。やっぱり、何か、考え方が根本的に違うんだろうな、と思いつつも、けれども、わかるわかる、というところもあったりして。それが結局、男と女の違いだったりするんだろうなー、と。昔なら絶対読まなかっただろうな、って思うけれど、こういうのも悪くないな、と思う自分がいます(笑)。

あ、でも、よしもとばななとか田口ランディとかは昔でも読んでたのか。でも、この辺って若干中性よりなところがあると思うんですよね。それよりも、より女性寄りなところまで視野が広がったんだろうな。きっと。

こんな感じー。

まだまだ、たまたま1コマ分空いた90分強で読みきったジェームズ・ブラッドリー「父親たちの星条旗」とか、高橋三千綱「さすらいの甲子園」とか、ほぼ日刊イトイ新聞編「オトナ語の謎」とか色々読んだんですけど(笑)、それらは特にレビューしなくても良いかな(^^;)。まぁ、書こうと思えば書けるけれど…。

あと、最近聞いてるCDについても書こうかとも思ったけど、これもあんま書けない気がしてきたのでいいや(笑)。また気が向いたら、いつか書くかもしれませんがね。

というわけで、たまには、レビューなるものをしてみました。だめだ、やっぱり苦手ですね。単なる自分から見た感想にしかなってない(笑)。まぁ、文学理論とか皆無に等しいから仕方ないっちゃ仕方ないんだけど。どんな視点から書こうか迷ったんですが、それこそ自分の共感が自分の体験にあわせてどう動いたか書くか、登場人物に重点を置いて書いてみるか、人にどんなところに着目して読んでほしいか書くか、如何様にでも書きようはあったんですけど、とりあえず適当に書いてしまいました。まぁ、それでもよいか。

あー、なんか読みたい。物語分を体が欲しているぞ。。