上昇気流

細々とひとりごとを呟き続けています。

身の丈

買うたった。冬物コート買うたった。

今回の冬物コートは正直、多少後悔の残るかもしれない買い物だったと思う。多分、身の丈よりちょっと背伸びしたものを買った。値段的にも、中身的にも。正直、値段の中に「ブランドバリュー」的な値段は含まれると思っていて。ホントのオーソドックスなPコートなのだけれど、有名ブランドだけにそれなりにいい値段がした。「高い」けど、すげえ、「普通」で。それでも、まぁなんか、ピンとくるものがあったのだろうね。おそらく後で見た時には、何かしら首を傾げるときも来るのかもしれない。「これにそれだけのお金を払う価値はあったのかな」って思ってしまうかもしれない。ちょっと身の丈には合ってないかもしれない。けれど、その首を傾げるのも含めたうえでの判断なのかもしれない。買わないと、経験しないとわからない種類の失敗、というのはあると思っていて、買って、着る着ない、合わせられる合わせられない、というのを経験したうえで判断というのは初めて下せると思うのだ。そういう意味である種の冒険だったと思うし、後悔しないと言えば後悔しないし、後悔すると言えば後悔する買い物なのかもしれない。今の時点で判断するにはまだ早いけれど。なんとなくそういう予感がする、ってだけのこと。

普段よく行く店の店員さんと、いつも買い物に行くと2時間くらい話し込んで帰ってくる。今日も、そのせいでちょっと飲み会に遅れた(笑)。服の話からどうでもいい話まで、ホントいつも楽しい話が出来るので買い物が楽しくなる。前も書いたかもしれないけれど、いつも的確なアドバイスをしてくれて良質の服をそこそこの価格で提供してくれるのでどうしても足が向いてしまう店。色々試着も出来て、合わせ方なんかも考えてくれて。今日も買う前に立ち寄って、迷ってるんですよねー、みたいな話をして、そのときにも「まぁ服屋の店員なので自分の店の服を推しますけど、それはそれとして置いといても」そこまでお勧めは出来ないですね、みたいなことは言われた。もちろん私の買い物の性向とか普段の感じとかを分かったうえで言ってくれてるんだけど、それでも、たぶん挑戦することが1回必要だったんだと思う。実際その店にも凄く惹かれたコートはあって、半分くらいの値段でいいものが置いてあった。けど、それを買ってしまうと多分いつも通りになってしまう気がして、たぶん間違いはないしあれば絶対使いやすいんだけど…っていう感じの買い物になってしまったんだと思う。それはそれで間違いがなくていいんだけど、たまには、ちょっと1回くらいは背伸びしてみて、それが合うか合わないか、みたいな判断をする必要があったんだと思う。見た目の面でも、精神的な面でも、ちょっとした背伸び、というか。それを踏まえたうえでまぁ違うなと思ったら違えばいいし、そこから広がる世界は絶対あると思って。

結局その店では予定になかった革靴を購入してきてしまったのだけれど、そっちのほうは、そういう意味でのまず「間違いない」買い物。ずっと欲しいものリストの検討事項にも挙げられてきたものだけれど、なんかもう思い切って「えいやっ」って買ってしまった。それなりにかわいくない値段がしたけれど、ちゃんとした革靴買おうとしたら多分それくらいの値段がする。その上、これから5年10年履くと考えれば、全然安い買い物だと思うし。適当に入った靴屋とかでまたわからない中から一から見て、ひよって適当なものを買ってしまって後悔するよりは、ある程度信頼のおけるお店で私のことをある程度知っている信頼のおける人からちゃんと説明とおすすめがされて買うのなら間違いがないのだろうな、と思って。そういう買い方。結構服屋とかで話しかけられることに抵抗があることも多いのだけれど、一度そういう関係を作ってしまえば、ちゃんと知識があって、好みとかも考えたうえでストレートに服を勧めてくれる人のもアドバイスって貴重なのだ。だって、絶対にこっちより服のこと知ってるんだもの。その靴の優れている点を説明受けただけでも価値みたいな物はこんな素人にもなんとなくわかったし。こっちの用途とかをしっかりと伝えて(普段使いから結婚式2次会みたいなちょっとフォーマルな場まで使える革靴が欲しいんですよね)、その人の普段の使い方(店の人ってその店の服とか靴はしっかりと使って理解したうえで使っている)とかを教えてもらったうえでの買い物だとイメージにしっかり合った買い物が出来る。あとで後悔することが段違いに少ない。特に、自分に責任のある後悔が。あとなんか、ストレートにモノを言ってくれるっていうか、合う合わないとか合わせ方とかをはっきり言ってくれるし、その時の言葉の使い方とかがイメージとすごくしっくりくる、というか。「スマートに履いて欲しい靴ですよね」とかっていう言い方、状況によって変わってくるけれど、凄く納得のできる使い方がされていてイチイチ納得してしまう。今日の靴も、「一生履いてください(笑)!」なんて言われて受け取ってきた。たぶん、それだけの価値のある買い物。

こっち来て一緒になった服が好きなな同期がいなければ絶対に広がっていなかった世界。感性とか感覚って、そういうものなのだと思う。これまで世の中に存在する「価値」について色々と考えてきたけれど、ものの「価値」ということに関して言えば、ここでの買い物って凄く勉強になる気がする。今まで捉えてきたものよりも、よりもうちょっとしっかりしたものとしての「価値」の実感、というか。こういう豊かな世界をもう少し広げていきたいな、と思うけれど。