上昇気流

細々とひとりごとを呟き続けています。

STORY

母親から、「○○君(高校の同級生)が結婚するらしいよ」というメールが送られてきた。意外性も何もなく、へえ、そうなんだ、それはおめでたいね、みたいな感想が一行、ぽっと頭の中に浮かんで流れていっただけだった。遠い世界の出来事。私の人生にはおそらく1ミリも変化を与えないであろう出来事。That's All.

26って、およそそういう年齢なんだと思う。健全な頭を持ち健全な社会生活を育んできた若者は、少なからずこのくらいの歳で信頼出来る良きパートナーと新しい家庭をスタートさせる。私の兄*1もまさにこのくらいの年齢で結婚して家を出たし、大学生の頃まで自分もそうするものと当たり前のように思っていた。実際、そうするつもりだった。実際にその歳を迎えてみるまで。

晩婚化をはじめ、確かに多様化は進んでいると思う。昔ほど、所謂「成功例」みたいな、大文字のストーリーは世の中全体で共有されていない。けれども、晩婚化が進んでいるとは言え、それは世の中全体の総意ではないと思う。東京という特殊な街で、特殊な環境で育った人間が周りを見渡してみて、その感覚も馴染まないこともないけれど、地方で暮らしてみると、まだまだ大文字の「ストーリー」が根強く残っていることに気づく。それこそ20代前半で結婚する人もたくさんいるし、30代で家を構えるのも「当たり前」だ。そして、東京においても、私から見て健全で真っ当な人間は、着々と結婚していく。今回のメールの主題の彼も然り。卑しくも、多様化多様化、っていうのは、乗り遅れた人たちや、その道に乗っからない人たちの自己正当化に聞こえてしまう。結局「周縁」の範囲が広くなり存在感を増しただけで、まだまだ、大文字のストーリーは崩壊せずにしっかりと存在している。「中心」は「中心」として、しっかりとそこに存在しているのだ。周縁からのノイズに視界を歪まされているだけで。

要因は何であれ、少なくとも、私が思い描いていた未来、そして大文字のストーリーと、私が今ある現実が異なっているのは確かだ。私自身の問題なのか、社会の問題なのかは知らないけれど。そんなつもりで送っているのではないのだろうけれど、母親からのメールに含まれる言外の期待。勿論、重々承知はしております。もう少し健全で、真っ当な人間になります。すいません。

*1:非常に真っ当な人間。嫉妬するくらいに。笑