「薄い関係」
たまーにメール入れて飲みに行くとか、それくらいの関係ってとても居心地がいいから、いつまでもそこに甘えているだけなのだろうな、と思っている。
そういう場って、おおよその場合、相手の悪いことって言わない。だから、楽しく飲んで帰ってこられる。誰かに対して責任を負うこともないし、責任を負わせることもない。
でも、いつまでもそれでいいかっていうとそういうわけでもなくって。次第にそういうことが出来る相手って、減ってくるのだ。
ひとり、またひとりと減っていき、気付いたら自分だけが取り残されている。そんな未来が間近に控えているようで、容易に想像できるようで、たまに、身震いがする。
一時的な充足感のつぎはぎでも、それなりに日々を送っていくことは出来る。今は、SNSだとか、それを助けるツールも揃っている。一見、色々な人が近くにいるように見える。
けれども、それって、刹那的な快楽で自分を麻痺させているだけなんじゃないのだろうか。結局、面倒事から逃げてるだけなんじゃなかろうか。
近そうに見えて、実は遠い存在。何かあったら、あっという間に離れることの出来る存在。
こういう関係も、もちろん、大事。けれども、それはそれとして。いつまでも、こういう関係の居心地の良さに浸っていてはいけないんだろうな。
…これ、自分でも薄々感づいていたけれど、見て見ぬふりをしていて。それが、今日、角田光代の小説を読んでいて一気にぶわーっと噴き出てきた。焦るよねー、焦る。