上昇気流

細々とひとりごとを呟き続けています。

generation gap

最近ラジオ聞いててふと耳に止まったんだけど、「今の40代は何か問題があるとアツく議論して解決しよう、という風潮が強い。それに対し、今の20代は個人主義で、なかったことにしよう、というか、その場が丸く収まればいいや、みたいな感じの風潮がある。」みたいなことを言ってる人がいた。

もちろん、「今の40代は」とか、「今の20代は」とかいうくくりで乱暴にまとめてしまうのが良くないとは思っている。けれど、これね、俺自身今の職場でも割と感じていることでもあって。なんていうか、我々の世代って、自分が干渉されたくない分、人に干渉したくない、というか、そういうところってあると思うの。良く言うと、ドライ、悪く言えば、他人に関心がない、というか。すごくね、あっさりしているの。いつだったか、4年前くらいに新聞の記事で読んだ気もする。「今の若者にはいい意味での『執着心がない』」って。まぁ、いっか、で済ませてしまうことが多い。こないだ職場の先輩と話した時にもその話になった。今高卒の同期が職場でちょっと「あいつダメだ」みたいな感じで言われているんだけど、結局そういうところも絡んでいるんだと思う。もちろん、仕事は普段それなりにこなしてはいるんだけど、結局、挨拶がない、だとか、何かあっても相談しに来ない、とか、コミュニケーション取ろうとしないから何考えてるかわからない、とか。若くなればなるほど、よりその傾向は強まっているような気がする。同期で飲みに行ったりしても、なんだか結構当たり障りない話だけして帰ってくるような気がする。スマートって言えばスマートなんだけどさ。「草食系男子」とかっていう言葉が生まれてくるのも、結局はそういう時代を反映しているんでしょうね。ネット上で色々言いっ放すのはやっててもさ、結局デモとかって今は起こらないじゃん。社会に対して不満を募らせて義憤から団体行動を起こす、という時代は終わってしまって、個々の欲望、というか、個々人の中の判断基準だけで行動が行われる時代になっているんじゃないかと。それこそ個人の中の快/不快が物事を判断してしまっていると言ってしまっても近い気もする。

先輩はそれを「ゆとり」に起因させていたけれど、それだけではない気がする。今の時代はフリーターでもそれなりには食いつないでいけるし、ネットなどでそれなりに自己充足感を持った生活を送ることも出来る。必要最低限、それなりに満ち足りた生活が出来ているから「生きるための渇望」みたいなのが生まれにくくなってるんじゃないか、とか。あるいは、バブル期みたいな言うなれば「肉食」の時代を経験していないから、そもそもそういうスタイルが身に馴染んでいない、とか。はたまた、大きな物語が崩壊して、「これを信じていればいい」的なものがなくなってしまって、何が正義かすらあいまいになってきているから、とか。それこそいくらでも要因なんてあるんだろうけどさ、結局は環境がもたらしたものだと思う。そういうぼんやりとした「世代的な傾向」が我々のところにもあるのかな、と思って。時代は常に変わり行くものだから、間違いなくあるとは思うんだけどね。

俺自身も、そういうところはあると思っている。もちろん、みんなで議論して解決することの重要性はわかっているつもりだし、仕事外で飲みに行くこととかは全然必要だし楽しいから行くんだけど、でも、根っこの部分ではやっぱりこっち側なのかなぁ、という気がする。どこか侵食されたくない自分の領域があって、そこには踏み込まれたくない。マイペースはキープしたい、マイペースが崩れない範囲だったら割と何でもするけれど、マイペースを侵食されると表情が険しくなる(笑)。今がそれなりに回っているから、それでいいか、みたいなところもある。ホントはもっともっと理想を挙げればキリがないんだけど、そこに向かって更なる特別な努力をしようとしていない気がする。それこそ、まぁいいか、みたいな。

おそらく、管理者としてもそういう状況を分かったうえで、教育をしていかなければならないんだろうな。今我々に指導してくれるような人たちは、ここで言うならば所謂「アツくなれよ」的な指導をする人が多くて、俺自身もそこに納得するところはある。何かあった時に、「飲みに行けよ」って言われることも多い。特に労働集約型の企業形態をとっている企業なんかは、そこで働く人の連帯ってとても大事だし、仕事の成否もそこに負うところも結構あると思っているから、そこにはある種の合理性がある。けれど、たぶん時代がもはやそこに追いついてきていない。だから、そういう指導をされても我々の世代は軽く「受け流して」しまうし、そこに対して上の人たちは不満を募らせる、という構図が生まれるのだと思う。またちょっと「我々の世代」っていうすごくざっくりした乱暴な切り方をしてしまったけれど(笑)。

ちょっとうまくまとまってないんだけどさ、実際にそういう言説が出てきていることに対してもある種の納得が出来るわけです。こういう、人の多い職場、そして社会と近いところにいる職場で働いていると。人間社会の縮図じゃないけれど、そういうのが見えて面白いと思うな。サンプルが広く、多い分。だからこその苦労とかもあるけれどさ。