上昇気流

細々とひとりごとを呟き続けています。

守破離

武道には「守・破・離」という言葉があるけれど、これは私生活一般にも言えると思っていて、何事も段階を踏まねば上には行けない。

「まねぶ」ことを割と自分自身重きを置いているところはあって、まずは自分自身で誰かのものを真似てみることが大事だと思っている。過去の人たちの試行錯誤の上に現状は成り立っているので、まずは自分自身がやって、それを経験し、身につけないと、そこに対して何かを語ることが出来ない、と思っているからだ。一見はたから見るとおかしく見えるようなことでも、実際には過去の因果関係の上に成り立っているものもあるかもしれない。その理解は、まずは自分自身が他の人のものを真似ることによってしか結局得られないと思うのだけれど。ある1つの軸となる視点をしっかりと身につけないと、結局その良し悪しも比較対象することは出来ない。

会社の仕事は3年でローテーションする、という話があって、それ以上でもそれ以下でも良くない、という。1年目は仕事を覚え、吸収するのに精いっぱい。2年目でようやく事態を俯瞰できるようになり、次第に自分の考えを持てるようになる。3年目で自分の思うように動けるようになり、自分の色を出していけるようになる。4年目以上になるとマンネリ化。

これも、この守破離と同じ考え方と思って良いのではないか。この3段階を、まさに1年ごとのタームでやっているということ。ホントは3年とかいうスパンじゃなくって、もっと長い時間かければ、もっともっと洗練、熟達していくのだろうけれど。それは意識次第、ってとこかな。

よく、全くの畑違いの人で、自分とこの考え方だけで、ぱっと見の物事にケチをつける、というか、文句を言う人がいるけれど、じゃあお前やってみろよ、って言いたくなる時がある。結局それをやったことがない人にしか語りえないものっていうのは絶対にあって、それを踏まえずに言いたいことだけ言っているのを見ると、なんか居心地が悪くなる。

けれども一方で、イノベーションとかそういうのは得てして全く経験のない他人の新鮮な視線から生まれることが多いのも事実。こういう「言いたいことを言う人」がいないと、次第に腐敗していくのもまた事実なのかもしれない。組織なり仕事なりに「染まって」しまうと、そこでの常識にとらわれてしまって、そういう革新的な思考が生まれにくくなる。3年で回すっていうのもこの辺に理由があるのかな。社外監査役の役割とかはそういうところにあるんだろうけれど。

結局、うまいことそういう性質を持った人をバランス良くミックスして、双方が自分の考え方だけに固執してしまうのではなくて、お互いが自分に足りない点、欠点があることを踏まえつつ、お互いの良さを引き出していけるような環境を築いていくのがベストなのだろうね。そういう「謙虚」な意識を持った人って、感覚的に凄く少ないように感じてしまうのだけれど。あれ、ちょっと話が当初予想していたのと違う方向に行っているぞ。

段階を踏むのが大事、とわかっていながら、得てして結果を出そうとして焦ってしまう、とか、そういう個人的なことが言いたかったはずなのに。あとは、真似だけに終わってしまってはダメだ、とか。なんだか知らんけど一般論に話が流れて行ってしまった。まあいいや(笑)。