上昇気流

細々とひとりごとを呟き続けています。

会社観

就職してから2年とちょっとが経った、らしい。2年くらい働いてみて、最近気づいたことがある。

社会人になるにあたり、まぁそれなりに色々考えた末今に至っているので、今こうして働いていることに関して、表面的に色々不満的なものが流れることがあっても、基本的に後悔はしていない。多かれ少なかれ、まぁ、こんなもんかな、と思う。よくOB訪問の手引きみたいなのには「入社前と入社後でここが違うと思ったことはありますか」と聞け、と説いているけれど、そういう意味では、あまりそういう風なことを思ったことはない。入社前にあまりイメージを作りこまずに入っていったというのもあるのかもしれないし、入社後に見たものを素直にそのまま、まぁ、こんなもんかな、と受け取っていたからというのもあるのかもしれない。もともと、自分の視点を中心に持って現実に接していくタイプではなく、現実に即して自分の視点を作っていくタイプなのだろうと思っていた節はあって(それは即ち欠点でもあるのだけれど)、そのせいなのかな、という気もする。

そんな中で、社会人になる前には持っていなかった視点、というのが2つあるな、ということを、最近ちょっと思っている。厳密に言えば、持ってはいたけれど、そこまでクリティカルには捉えていなかった視点、というか。

それは、会社の規模と、扱う仕事の質である。

会社の規模

これに関しては、実は、就職活動中に、1回、何かで見たことがある(確かネットをふらふらしてたときにふと見つけたどこかのブログかなんかだったと思うけれど)。最初は中規模の会社に入るのがよい、と。大きな会社では若いうちに割り当てられる仕事が単調かつ少ないし、小さい会社に入るには、若いうちを過ごすにはリスクが大きすぎる、と。ある程度実績も残しているような会社で、中規模で割と何でもやらせてもらえるような会社で経験を積むのが、若いうちには一番良いのではないか、という論調だった。それが頭の片隅に残っていて、これまで2年間仕事をしてきてみると、まぁ、言いえて妙なのかな、という気もする。

私自身、これまでの2年間で、既に3つの職場を経験している。実習も含めればもっと多く。その中には50人程度のところから(これでも小さいとは言えないと思うけれど)300人程度のところまであるのだけれど、やはり、小さい職場のほうが、個々の裁量は大きい。何でもやらせてもらえる、というか、ある程度個々が何でもやらないと回っていかないのだ。その点で言えば、小さい職場で働くということは、働く側にしては多くのスキルが身に付くということであるし、逆に職場の側には、そこで働いている人間の質に大きく左右される、ということでもある。実際問題、小さな職場では、この人抜けたらどうなるんだよ、っていう話がちらほら交わされたりもする。ま、こないだその人実際に異動になって、異動後にそこの職場の人と話したけど、別にそれでも回っているみたいだったけれど。一方で、大きな職場というのは、個々のできる仕事はやはり限られてくる。ただ、職場の側から見れば、あまり能力のない人がいたとしても、それをカバーできるのが規模の強みである、とも言える。大きな職場のほうが優秀な人がいるかと言えば必ずしもそうではなく、大きな職場にいる人はそれだけ上から下まで多種多様な人がいる、ということだ。個は薄まる傾向にあるともいえる。なんとなく、この辺が企業30年説にも絡んでくると思うけれど。組織に守られている感が出来てしまうから、個々の意識が薄れてしまうんじゃないのか。ちょっと話が逸れた。

そういう意味では、小さい会社で働いていたらきっと全然違う2年間を過ごしていたんだろうな、と思う。さしあたり別に転職しようと思ったこともないけれど、もし転職するとしたら、次は中〜小規模の会社だなと妄想することがある。多分、いわゆる大企業と呼ばれる別の企業に転職したとして、扱う仕事の内容こそ変わると思うけれど、でも社会人としてやることには、今の会社とそう大して変わりはないのではないかと思う。仕事内容にはある程度熟慮を重ねて入社しているわけだし、だったら別に今の会社のままでいいと思う。ただ、規模の小さい会社にいれば、たぶん、仕事観みたいなのが結構変わってくると思うので、それを経験してみても面白いのかな、人生変わるのかな、と思うことがある。ま、今んとこ全然予定はなくて、あくまで妄想して仮定しているだけだけど(笑)。

ちなみに大企業に途中から入るのは難しくて(今は門戸も開かれてきているけれどもね)、中小企業に途中から入るののほうがまだ入りやすいから、最初は大企業に入っておけ、という論調も就職活動中、どこかで見たことがある気がする。それはそれで一理あるのかもしれない。

扱う仕事の質

志望する業種を考えた時、仕事内容について、軸というか、基準として持っていたのは、「実体のある仕事か」とかその辺だった気がする。扱うものがあまり実体のないものだと、モチベーションにつながらない気がしていた。「自分は今何のために働いているのか」というのが明確になっていないと、自らの内発的なモチベーションが湧かない性格だと捉えていたからである。金融とかは私にはちょっとイメージが湧きづらくて(単純に勉強していなかったのもあるんだけど)、結局受けずに終わってしまった。その軸で考えていった結果、メーカーとかに行き着いた。そして、そこからさらに考えた時に、細かな差異や表向きの操作で売り上げを伸ばす、とかいうのはあまり向いていない気がして(これも、何のために、っていうのを突き詰めていくと行き詰ってしまう気がした)、最終製品のメーカーよりは、どっちかというと川上のメーカーを受けていた覚えがある。あくまで学生の浅い考えの下で、だけれど。

今になってこういう仕事内容について思うのは、そこに「扱う内容がプラスかマイナスか」というのを持っていても良かったように思う。特に、これはサービス業に言えるのかもしれない。最近世の中の仕事は1つの軸の上に乗っていると思っていて、「マイナスをゼロに近づける仕事」か、「ゼロからプラスを作っていく仕事」の要素があるのだと思う。

これまでやってきた仕事は、割と前者が多かった。いかにして丸く収めるか、みたいな世界。問題がある中で均衡点を探すような性質の仕事も、ある意味ここに含まれるのかもしれない。一方で、最近ちょっと、後者の要素を持つ仕事も経験して、これは全く違う性質の仕事なのだな、と思うに至った。1つの会社内でも、部署が違えばこの性質の違いは出てくるのだと思う。苦情処理と製品開発なんて多分相当マインドが違うと思うし。これは、少なくとも、業種を考えるときにはなかった視座の1つである。意外と実際に働く中でこの違いって結構大きい気がして、当時持っていればまた違う選択をしていたのかもしれないな、と思うことがある。

組織

これらは結局、大学生の時にあんまりアルバイトをしてこなかったからこういう風なことを今更思っているのかもしれないけれど、良く考えてみると、サークルとかそういう組織に関しても、言えることなんだと思う。極論大学っていう組織だってそうだ。サークル選び然り、大学選び然り。組織の選択には常について回るようなことであり、まぁこの先もいろんなところでついて回ることなのかな、とも思う。会社の中にもさまざまな規模の職場があるし、それこそたくさんの色々な人がいる。今回はなんとなくまとめやすかったからこの2つについてちょっとまとめてみたけど、他にも色々なことを思うことがある。色々な職場を転々とすると、その分大変なこともあるけれど、比較検討して色々なものが見えてくる。それはまぁ、良いことなのかな、とも思う。ようやく仕事が面白くなってきたところで異動になるのはなんとももったいないと思うときもあるけれど。ここに書いたことなんて、そうやって思っていることの氷山の一角でしかないんだ。ホントはさしのみとかしながら訥々と語るような内容なのかもしんないけど(笑)。

多分来月頭に、もっかい異動がある。噂が聞こえてきた。4つ目の職場。また1から人間関係の作り直し。またしばらくは落ち着かない日々が続くんでしょうけど、ま、それはそういうもんなんだから仕方ないよね(笑)。