上昇気流

細々とひとりごとを呟き続けています。

今晩の話

夜、ちょっと離れた町に車で行って、裏通りのすっごいB級なレストランに入った。席はカウンターしかなく、客も俺1人だけ。

1200円で手のひら2つ分くらいのハンバーグとその他もろもろ(サラダとかコーヒーとかプリンとか)が出てきた。とても、満腹。目の前で、牛肉をでっかいブロックから切り出してミンチにして、手でこねてハンバーグを形作っていた。店のマスターがとつとつと目の前で料理をしながら、語りかけてきたのだけれど、主に横浜の話と、船の話と、雪道の話と、魚の話をした。断片的な情報から推測すると、大学時代横浜に住んでいて、こっちのホテルで料理人をしていたようである。新潟での魚の流通の経路とかの話が興味深かった。

そんな中、宝くじが1億円当たったら、みたいな話に至った時、「そしたら1年間お客さん金払わなくていいよって言っちゃうね」という言葉が出てきたときにはびっくりした。我々は主に自分が何を買うか、という視点で物事を考えてしまうし、てっきりそういう答えが返ってくるもんだと思ってたから。なんとなく、それが当たり前だと思っていた自分を恥じた。「でも1年間ただにしたって、1億なんて使いきれないよね。どうするかな、食材を高級にするかな…」なんて独り言言ってたけど。

なかなかに、面白いレストランだった。雪国の裏通りで、ひっそりと、1日に何人相手するのかわからないくらい、細々とやっているレストラン。こういうとき、ホント、1億2000万人には1億2000万人なりの生活と考え方があるんだろうな、と思う。きっと、時間の流れ方と密度も違うんだろうな。