上昇気流

細々とひとりごとを呟き続けています。

Lego

LEGO Star Wars Ultimate Collector's Millennium Falcon 10179

LEGO Star Wars Ultimate Collector's Millennium Falcon 10179

なんとなしに見つけたんだけど、凄いな…。

こちらが公式HP(たぶん)。

ドルだと500ドル。日本円だと色々付加されて結局7万円くらい。さすがに1月分の生活費は出せねーな…。

ということで、これを見て作った気になってみる。

けどこれを見て思ったけど、このモデル、どちらかというと見た目を原作に忠実に作ることを意識していて、映画へのリアルさは確かに追及しているけれどモデルとして遊ぶにはあまり面白くないものなんだね(英語のHPではそのことを指摘している人もいる)。別にそのことが悪いと言いたいわけじゃなくて、そういうモデルはそういうモデルとしてあっていいと思う。

ちょっと昔話

これを見ながら、昔、大晦日に兄とLegoで巨大な宇宙船を作ったことを思い出した。多分その頃僕は小学校低学年くらいだったと思うのだけれど(ということは兄はその頃高校か大学くらいか)、この宇宙船を組み上げたことは今でも強く記憶に残っている(残念ながら、写真には残っていない)。このミレニアムファルコンが84cmx56cmx21cmという大きさだけれど、それに遜色ない大きさだったように子供の自分には思えた。僕が子供の頃の記憶だから、大きく見えていて実際にはどのくらいの大きさだったのかは今となってはわからないけれど、当時の僕が船首と船尾を両手で抱えないと持てないくらいの大きさであったのは事実だから、これと同じかそれ以上の大きさはあったのかもしれない。その宇宙船は中から小さな小船が出てきたり、変形したりして、見た目の美しさと「遊び」としての凄さとを兼ね備えていたものだったのを覚えている。中の船室なんかもとてもうまく作ってあって、本当に宇宙船として機能しそうなものを備えていたように思う。

僕の家には兄が小さい頃から(ということは今から20年以上前から)持っていたLegoが、どのブロックがどのシリーズのものだったのか、いつ買ったのかわからない状態で全部ごちゃ混ぜになって1つの大きな箱の中に詰め込まれていた。その中にはお城シリーズの部品もあれば街シリーズの部品もあり、宇宙シリーズの部品もあった。そして、どの部品がどのシリーズのものであるかは関係なく、説明書など全くない状態で、それぞれ自分の思い通りに、その中から使えそうな部品を選び出しながら形のあるものを作り上げていたのだった。

兄はLegoについては僕にとって神みたいな存在で、兄の作るLegoはどれも凄く巧妙で、素晴らしい形をしていて、なおかつ丈夫だった。この「丈夫」ということの凄さは今更になって感じられるのだけれど、兄は「板ブロック」を実にうまく使いながら、細い部分でもしっかりと補強しながら壊れにくいものを組み上げていった。棒の形をしたブロックで1本縦につなげてしまえば簡単につながるところを、兄は数枚の板ブロックを重ねて、複雑なラインを出しながら、ずっと強い強度でつないでいた。今と違って普通の素朴な形のブロックの多かった時代のLegoで造形技術を鍛え上げられてきた兄は、構造をしっかり理解しながら作っていたのだと思う。見た目の美しさだけではなく、その先の「遊ぶ」ということまでしっかりと考えられて作られたものだったように、今になってみると思う。兄の手から作り出されたものは、どの部品がどのシリーズのものであるかも関係なく、1つ1つの部品の特性を捉えて的確に組み上げられていて、とても「カッコいい」ものだった。僕も兄の影響を受けて小さい頃から色々なものを作ってきたけれど、結局兄の域を超えたものが作れたと感じたことは一度もなかった。兄は30過ぎた今でも時たま実家に帰ってきたときいじっているときがあるけれど、そこから作り上げられるものには昔の片鱗が見られる(あんま時間ないからだいたい作りかけで放置されているのだけれど)。

晦日に作った宇宙船も、そんな兄と箱の中のブロックから作り出した宇宙船の1つだった。説明書がなく、一度壊してしまえば二度と再現は出来ない宇宙船。写真にでも残しておけば良かったと、今更ながらにして思う。兄と作ったものは他にも2足で直立するロボット*1とか、巨大なお城とか色々あったけれど、どれも僕の記憶の中におぼろげに残っているだけで、形として残っているものはない。箱の中から作り上げられて、形となって、またバラされて箱の中に戻り、次の形になっていく。それが、我が家のLegoだった。

大きなことを言うわけではなしに、こうやってLegoで遊んだことは、僕らの人格形成に1つの大きな影響を与えているのだと思う。それだけ、偉大なおもちゃであると僕は思っている。今はうちのLegoは、1つには収まりきらなくなって2つの箱の中に収められている。僕の時代に買った部品がそこに加えられ、10年以上の年月の挟まった部品同士が、ごちゃ混ぜに混ぜられて押入れに眠っている。おそらく、次の世代がまたLegoを引っ張り出してきては、新たな発想で自分なりの世界観を組み上げていくのだろうな、と、勝手に思っている。

そんなわけで

ちょっとこのミレニアムファルコンとは趣旨の違うLego遊びをして僕は育ってきたので、このLegoにはあまり触手が動かないのも事実。確かに凄いんだけど、やっぱり説明書なんてなしに、自分で色んな機能とか搭載しながら自分で作り上げるのがLegoは楽しいよなぁ…と思ってしまう部分もある。もっとも、結局自分で作ったとしても、自分の才能の限界は知っているので、所詮僕が1人で作った場合には大した機能のない歪な形のものになってしまうのがオチなんだけれど…。

*1:ガンダムみたいなやつ。ちゃんと関節も全て稼動するし、頭部には人形が乗れるコクピットも作ってある。