上昇気流

細々とひとりごとを呟き続けています。

想像力の暴走

人間の持つ想像力は、思っている以上に強いものである。

恐怖や不安、後悔といった物事は、全て想像力によって生み出されるものである、と思う。地震が起こったらどうなるか、など、未知のことに対して想像力を膨らませるから、恐怖や不安が生まれる。また、後悔は、あの時こうしていれば、というもう1つの可能性を想像することによって、生まれてくるものである。しかしながら、いくら考えたところで、それらは想像に過ぎないのだ。ある程度の恐怖や不安は人生をうまく方向付ける上で持っていて良いものであると思うけれど、支障をきたすような必要以上の恐怖や不安を抱きそうになったら、これらのことを思い出してみるというのは1つの手であると思う。それらの根拠は一体なんなのか??単なる想像に過ぎないのではないか??それは起こる可能性もあるけれど、起こらない可能性もある。単なる推測に過ぎないのだから、考えるだけ無駄なのではないか??それよりは、今この場で自分に実際に出来ることを考えたほうが有益である、と。実際、認知療法として心理学でも用いられている手法ではあるけれど。

ただ、だからといって推測を全く排除しよう、というわけではない。想像力がもたらすプラスの効用ももちろん存在する。ある程度自分が将来成功しているところを描くのはモチベーションを高めるためには有効に機能するし、そもそも人の心なんてのは推し量ることしか出来ないものなのだから。だから、想像力はやっぱり必要なものなのである。こちらのプラスの効用を高めるために想像力を逞しくすることによって、同時にマイナスのほうの効用も高まってしまうのは、ある程度必然の結果なのかもしれない。

だから、それらに左右されるのではなくて、意識的にこれらをしっかりと使いこなしてやることが必要なのだと思う。想像力のマネジメント。得てして、恐怖や不安に陥っている人は、自分がそういう状態にあることがわかっていてもどうしようもないこともあるのだけれど。そういう状態を、想像力の暴走と呼んでみるとして、想像力の暴走を客観的な視点からなだめることは、身につけておきたい技術の1つだと思っている。自分が客観的に自分の状態を眺める視点の1つとして、こういうのもあるのではないか。

安定化への一歩。